セキュリティ心理学 サイバーセキュリティ月間 報告概要






2021年 3月12日(金)

  * 11:35〜12:55
  テーマ 問題解決における「失敗原因の特定」と「成功への行動修正」との不思議な関係

  報告者 福田 健
  概 要
   人は、プログラミングや機器操作や食品調理などの問題解決行動において、想定・希望していた結果が得られない場合(失敗時)に、失敗の原因を推定して次の行動を修正することがある。また、そうした失敗に対して、次の行動によって予定・希望した結果が得られるようにするために、外部から助言や行動制約を加えることがある。ただし、こうして失敗に対する原因を特定したり、成功に向けて行動を修正するためには、課題の構造に応じてその戦略を変える・合わせる必要がある。
 今回の講義では、上の過程で問題とされる「失敗原因の特定」と「成功への行動修正」とが、必ずしも相補的で対称性をもったものとは限らないという事実を解説する。次に、心理・行動実験の結果として、人が課題の構造に応じて「失敗原因の特定」と「成功への行動修正」を適切に選択していることを示す。さらに、そうした選択が時間圧や先行知識や情報制限などにどのように影響されるかについて検討・議論する。